クビアカツヤカミキリ (Aromia bungii)は、体長2~4センチメートルほどの大きさで、体全体が光沢のある黒色をしており、赤色の背中が特徴です。赤い背中にはとげ状の"こぶ"を一対もち、触角は黒色で体長と同じか若干長くなっています。その幼虫が桜、梅、柿、桃、ポプラなどの樹木に寄生して弱らせ、枯らしてしまいます。成虫は6月ごろに出現し、交尾や産卵を行ないます。卵は約10日で孵化し、生まれた幼虫は木の幹を食べながら、2、3年で成虫になります。
クビアカツヤカミキリが寄生した樹木からは、フラスと呼ばれる大量の木屑と糞が排出され、根元に落ちています。成虫や被害にあった樹木を見つけた方は、市の環境課までご連絡ください。
●本種の成虫又は本種が疑われるフラスが確認された地域は以下のとおり。
発生確認年 |
都道府県 |
主な確認場所 |
平成24年 |
愛知県 |
神社、民家のサクラ |
平成25年 |
埼玉県 |
用水路沿いのサクラ |
平成27年 |
群馬県 |
公園、神社のサクラ |
東京都 |
公共施設のサクラ |
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大阪府 |
公園のサクラ |
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徳島県 |
公園、神社のサクラ、果樹園のモモ |
通常の管理の範囲内でフラス(木屑等)が確認された場合、本種の発生が疑われるため、フラス確認後は、成虫の発生時期(6~8月)に当該樹木を中心に成虫の有無を調査する。
成虫を見つけた場合は捕殺する。また、幼虫の食入孔を見つけた場合は、針金を食入孔に差し込むことによる刺殺に努めるとともに、羽化した成虫の分散防止及び新たな産卵を防止するため、羽化期から成虫の産卵時期にあたる6~8月に、ネット(防鳥ネットとして利用されているもの、目開き4mm以下)等を樹幹に巻き付ける。
なお、複数の食入孔や脱出孔が確認された樹木については、確認できない食入孔があるなど、当該樹木からの個体の完全な排除は困難であるため、成虫が拡散しないような措置を取った上で、伐倒等を検討する。(食入孔が見つかると多くの場合、根まで侵入している可能性が高い。)。なお、伐倒木については適切に処理すること。
また、当該種による加害が進むと、落枝、倒木等による人的被害が発生するおそれがあるとともに、枯死した樹木を安易に移動させることは、当該種が拡散し、被害の拡大につながるので注意が必要。
【登録農薬】
・樹木類のカミキリムシ類:MEP乳剤
・果樹類のカミキリムシ類:昆虫寄生性糸状菌製剤