国指定史跡「永原御殿跡」は、江戸時代初め、徳川家康・秀忠・家光の三代の将軍が上洛時の専用宿館として築城された城郭です。当時の堀や土塁は、現在でもその痕跡をよく観察することができ、平成29年度から実施している発掘調査においても、「古御殿(ふるごてん)」、「御亭(おちん)」、「南之御門(みなみのごもん)」などの建物跡をはじめ、礎石や石垣などを発見しています。これらの成果は、大工頭中井家に残された建築図面である「指図(さしず)」とも合致しており、現地には良好な状態で遺跡が残されています。
「永原御殿跡」は、江戸時代初めの政治史を語る上で欠かすことのできない遺跡として、令和2年3月に国の史跡指定を受けました。
野洲市では、当史跡の保存整備に向けて取り組み、令和3年3月に「保存活用計画書」を策定するとともに、発掘などの調査、地元団体と協働で行う活用事業、史跡地の追加指定と公有化の事業を併行して進めてきました。
令和4年3月には、適切な保存管理と公開活用、史跡の価値を的確にわかりやすく表した公園整備を行うことを目的に「整備基本計画書」を策定しました。
このページでは、「整備基本計画書」を公開し、野洲市の豊かな歴史遺産をまちづくりに活かした取り組みを進めてまいります。
↑永原御殿跡の第1期整備イメージです。(周辺の堀部分は第2期整備となります。)
第1期整備(~令和9年度)は、永原御殿跡の本丸部分が中心です。
本丸には、西側に当時の土塁が残っており、これを保存のために保護します。残存しない東側の土塁については復元的整備を行い、全体として城郭としての景観を再現していきます。
本丸内部には、かつて将軍が宿泊した御殿建築が存在しましたが、発掘調査の結果や当時の建築図面をもとに、御殿建築の柱間取りを現地に等大表示します。ARやVRなども活用し、徳川御殿のスケールを体感できるような整備を目指します。
詳しくは、以下の基本計画書をご覧ください。
史跡永原御殿跡整備基本計画書概要版1p4p(PDF:569.8KB)
史跡永原御殿跡整備基本計画書概要版2p3p(PDF:858KB)
↑整備基本計画書をコンパクトにまとめた概要版です。
↑「整備基本計画書」の本編です。
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