「市長への手紙(手紙、メール、通信箱、ファクス)」の4つの広聴制度により寄せられた皆さんからのご意見・ご提案は、今後の市の政策にいかすため、また、業務の改善を図るため等、市長および担当部署がすべて目を通し、回答しています。
平成30年度に回答・公表した中から、特に市民の関心が高い市立病院整備に対するご意見・ご提案とその回答をとりまとめました。
なお、掲載内容のうち、個人が特定される恐れがある等のものについては、広報秘書課で一部修正・要約(不掲載もあり)しています。
下記以外にも市立病院整備に対するご意見・ご提案をいただいていますが、住所・氏名の記入がなく回答不要の意思表示(メールで、返信の有無が「いいえ」となっている等)があるもの等に該当し、回答していませんので、公表の対象とはしていません。
Q 市長様、日頃から我々市民が「住み良い」「暮らしやすい街造り」に務めていただきありがとうございます。
さて、2件おたずねいたします。又毎月「広報やす」楽しみにしています。
1)新幹線沿いの「工業団地」の完成予想図及び進捗状況
2)「市民病院」の進捗状況
を「広報やす」に取り上げていただきたいです。
1)については住居の近く
2)については高齢者にもなり、1日も早い完成を楽しみにしています。
業務多忙とは存じますが、小さい事かと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
A ご意見に順にお答えします。
まず三上地先の工業団地については、国道8号野洲栗東バイパス事業の進展に伴い、道路計画の法線上にありますオリベスト株式会社の移転のため、市が事業主体となって、平成28年から市道四ツ家小中小路線の歩道整備を含め造成事業を行っています。
市道を除く約5.9haの工業団地の土地利用については、当初オリベスト株式会社が全面移転を行う予定で進めておりましたが、昨年度、国土交通省において、バイパスの事業効果を早期発現させるため、都市計画決定されたバイパスの法線を調整されたことにより、オリベスト株式会社へ約4.1haを売却し、残りの土地約1.8haは公募により事業所へ売却する計画です。
つぎに市民病院についてですが、まず市民病院完成にご期待をいただき大変心強く感じております。ありがとうございます。
広報の中で、市長メッセージとして毎月、まちの動きをお伝えしていますが、野洲市民病院整備に限らず、まちづくりの最新の情報をお伝えしていますのでご覧ください。
また、設計業務の完了時や今後の建築工事の進捗等につきましても、随時、広報等で皆様にお知らせしてまいります。
なお、現在、野洲市民病院整備は、建物の建築工事に関する詳細な設計を行っており、建築工事は、来年度から2ヶ年をかけて行う計画です。
併せて、来年7月1日に現野洲病院の施設等を引き継ぎ市立野洲病院として、市が医療を提供するために病院職員の採用手続き等を実施しているところです。
今後も市の情報等は、広報などを通じて、市民の皆様に分かりやすく丁寧にお知らせしてまいります。
なお、野洲市民病院や工業団地の進捗状況等については、国道8号野洲栗東バイパス事業の進捗状況も含め、広報やす1月号に掲載いたします。
Q 野洲病院の件
○駅前=何故?車の混雑、景観上も不適と思われる。
○新場所案=図書館、シルバー人材センター等の郊外にするべき。
○JR利用の方は、駅までのシャトルバスを循環させる。
○現在は車社会。野洲病院は野洲の住民が主に行きます。何も混雑する所に車を集中させる事はない!!
A 交通混雑については、市民病院の整備検討において調査を実施したところ、駅前の混雑のピークは7時~8時、小学校の登校時間帯は8時頃に対して、病院への来院は9時頃に始まり11時頃がピークであることを確認しています。
また、救急車両を含め、市民病院への車両動線は駅ロータリーからではなく、市道下水門線の利用を計画しており、駅前の交通渋滞が病院建設により悪化することはないと考えています。
なお、今後5年以内の開通を目指して進められている国道8号野洲栗東バイパスと県道湖南幹線の守山からの延伸が完了すれば、市内の交通状況は改善される見込みです。
また、景観に関しては、既に基本設計において、駅周辺の景観に配慮するとともに、親しみのある野洲らしい建物として計画しているところです。
次に病院の立地は郊外にするべきとのご意見でありますが、病院の立地は、市の中心部、駅周辺でないと年間9億~10億円を見込んでいる外来の収益がそこまで高まらず経営が厳しくなると考えています。
また、病院の立地場所は、多くの市民の利便性を考慮する必要があるとともに、自家用車による移動で医療機関を利用することが困難な市民に対応するために、既存の公共交通機関(路線バス、コミュニティバス)の結節点であり、その効果が最大限発揮できる駅周辺を選定しています。
さらに、医師や看護師、医療技術者、事務職等のスタッフの確保は、経営の根幹で、どこの病院においても大変シビアな取り組みです。そのために少しでも良い条件を整えることが必要です。市民の来院やスタッフの通勤に便利な駅周辺に整備することは郊外の整備よりメリットがあると考えています。
これは、平成24年度において医療の専門家や関係者等で構成された新病院整備可能性検討委員会で「経営」という観点から「駅周辺」は非常に有効であり、市が病院を整備し、持続可能な運営ができる可能性がある条件の一つとして駅周辺における立地の提言を受け、公開の検討会や議会審議を経て、基本構想、基本計画、基本設計等の策定経過により決められてきたものです。
Q 駅前に病院が開設されるようですが、現在の野洲病院も赤字が継続していると聞いています。
なぜ赤字になるのかの原因分析をしていると思いますので、開示してください。公費をいれるのだから説明が必要だと思います。
近隣の守山市民病院も、近江八幡市民病院も赤字と聞いています。市として財政負担は、どれほど見込んでいるのでしょうか。黒字化の目途はあるのでしょうか。
最近、発生した北海道の地震や台風による洪水を見ていると心配になるのですが、道路が寸断され、鉄道も停止したと仮定したときに、新設される病院は機能するのでしょうか。
ブラックアウトなどの広域停電が発生したときに、新設の病院は対応できますか。
まず、医療関係者、特に医師は、病院にどうやって駆けつけるのでしょうか。
車も使えないし、鉄道も使えません。そもそも野洲市内に在住の医師も災害に遭遇している可能性もあります。
緊急事態に対するシミュレーションというか想定範囲はどうお考えですか。
最後に、なぜ駅前なのでしょうか。朝の通勤ラッシュの時に、現在の駅前を救急車などの緊急車両は安全に運行できますか。道幅が狭く、今でも野洲病院の前の道路の混雑はひどいです。それが駅前に移動するとなると更に状況は悪化すると思います。
さらに、ハザードマップでは、野洲駅前は、最悪2mの洪水の被害が想定されているではありませんか?
基本的に病院建設に反対はしていませんが、積極的に賛成はしかねない者からの意見です。
厚生労働省の予想では、2030年以降は、医師が余剰してくるそうです。
こうした状況で病院開設した場合、投資に対する回収ができずに市の財政を圧迫するのではないかと心配しています。
A 現在の野洲病院の経営状況について
野洲病院は民間病院ですので、財務及び経営状況は一般に公開されていませんが、補助金の申請等で市が把握している情報からは、これまで黒字を維持されています。
病院事業への市の財政負担について
現在試算では、用地費及び立体駐車場も含めた市民病院の整備費は約100億円で、その半分にあたる約50億円を病院が得る収益から返済するよう見込んでいます。
残りの半分は、市が返済を行いますが、返済にあたり返済額の半分が国から地方交付税として措置されますので、実質の市民負担としては全体の4分の1にあたる約25億円となります。これを30年間で返済しますので毎年の返済額としては約1億円です。
なお、この額は、これまで市が長年、野洲病院に対して毎年交付してきた補助金を上回りません。あわせて病院敷地も無償で貸し付けています。同等の市民負担で、病院が新しくなることになります。
病院経営の黒字化の目処について
直近の試算である、平成29年度策定の病院事業の収支見通しでは、開院2年目に黒字化の見込となっています。今後、施設整備契約の確定、医師を含む職員の給与・手当ての具体化によって、収支見通しを精査していきます。
また、より経営の効率化等を行うため経営形態を地方独立行政法人とすることを方針として定めています。
災害発生時の病院の機能維持体制について
停電発生時に備え、自家用発電装置を設置し、手術や人工透析、人工呼吸器等の医療行為を中断できない機器や機能について継続的な使用ができるよう計画しています。
また、災害時の医師の体制について、特に夜間や休日においては、当直の医師や看護師等だけで対応できるものではないことは明らかですので、市内の診療所や近隣病院との連携によって対応します。
なお、病院施設は免振構造を採用しており、地震への耐久力と事業継続性(BCP)を高めます。また、災害発生直後における医療対応の拠点として、負傷者等の応急処置を行うとともに治療優先度や搬送先等を判断するトリアージを行い、地域の診療所や近隣の高度医療を行う病院と連携を図り対応していくことを想定しています。
そして、自治体病院として、一定の災害時においても必要な医療が提供できる体制を構築し、災害発生時に、負傷、発病した被災者を受け入れることができる必要なスペースを病院の1階のヘルスケアパークに確保するとともに、一定期間の医療資機材や医薬品、食材の備蓄等を適正に行う計画です。
以上のことは、法定計画である市の地域防災計画の中に位置づけます。
駅前の立地について
平成24年度において医療の専門家や関係者等で構成された新病院整備可能性検討委員会で「経営」という観点から「駅周辺」は非常に有効であり、市が病院を整備し、持続可能な運営ができる可能性がある条件の一つとして駅周辺における立地の提言を受け、公開の検討会や議会審議を経て、基本構想、基本計画、基本設計等の策定経過により決められてきたものです。
なお、交通混雑について調査を実施したところ、駅前のピークは7~8時、小学校の登校時間帯は8時頃に対して、病院への来院は9時頃に始まり11時頃がピークであることを確認しています。また、救急車両を含め、市民病院への車両動線は駅ロータリーからではなく、市道下水門線の利用を計画しており、駅前の交通渋滞が病院建設により悪化することはないと考えています。
なお、今後5年以内の開通を目指して進めてもらっています、国道8号野洲栗東バイパスと県道湖南幹線の守山からの延伸が完了すれば、市内の交通状況は改善される見込みです。
駅周辺の治水について
妓王井川、童子川の改修が長年放置されていましたが、平成25年度からは計画を見直し、河川管理者である滋賀県が両河川の改修を進めています。具体的には、童子川に関しては、上流への改修が進んでおり、妓王井川に関しては、平成25年度には三面張り工事による改修、平成26年度からは、河床の50センチメートル切り下げによる低水路整備が行われています。
市でもこれらに先駆けて、雨水幹線事業を計画的に進めています。これにより、市三宅、四ツ家地先の安全度が高まるとともに最終的には妓王井川への雨水流入負荷が軽減され駅周辺の安全度も高まると考えています。
ご指摘のように100年に1度の大雨を想定した、ハザードマップでは、野洲駅前は2m未満の浸水が想定されています。ただし、現野洲病院や野洲小学校も同様であり、駅前の立地を否定する根拠にはならないと考えます。
医師余剰による財政悪化の懸念について
投稿者様のご指摘のとおり厚生労働省からは2033年以降には医師が過剰となるとの報告がなされています。このことは、これまでの市民病院の検討会議で専門家によってすでに指摘されていたことです。
一般的には、医師が過剰になれば医師確保が容易になり、病院運営は楽になり、「財政悪化」とは逆の状況になります。
ただし、医師はもちろん看護師等の医療職も同じですが、数も大事ですが質も重要であり、特に医師の場合は、専門分野と地域偏在が大きな問題であり、国の堅実な医療政策が期待されます。
以上お答えいたしましたが、これまでも市民病院に関しましては、多くのご質問とご提案をいただき、それらにお答えをしています。市のホームページにすべて掲載していますので、ご覧いただければ幸いです。
Q 「市長への手紙」乱筆乱文ご容赦下さい。
前略平素何かと行政のお世話に相成っており厚く御礼申し上げます。
この度は、野洲病院の新建設にご尽力頂き、種々の問題もやっと解決され、後は、市民待望の立派な病院が完成される事と心から祝福の至りです。
そこで以前に、新病院の名称募集をされておられた件、現在いかが成りしかと、お尋ね致す所存です。
もうぼつぼつ発表の段階とも思い手紙をお送り致しました。よろしく
A 「市長への手紙」にてご意見いただき、ありがとうございます。
病院の正式名称は、既に「野洲市民病院」と定めています。この名称については、市民に親しまれ信頼される新病院にふさわしい名称を市民のみなさんから公募しました。「広報やす」及び市ホームページで募集のお知らせをするとともに、平成28年9月22日開催の「フォーラム野洲2016~新しい自治体病院をめざして」の来場者にも応募用紙を配布するなどしてご提案を求めました。募集期間は、平成28年9月1日から10月7日の期間で、郵便やメールなどで提案を募りましたところ、45件の応募をいただきました。
皆さまからいただいた提案内容を基に、平成28年11月1日に開催した市民代表や学識経験者で構成する(仮称)野洲市民病院整備運営評価委員会にて公開で審査され、「野洲市民病院」が採用されたため、そのとおり定めました。
その後、市民病院の設置条例が平成28年12月22日の市議会本会議にて可決され、市立病院の名称が「野洲市民病院」と正式に決定しました。なお、正式名称の決定については、「広報やす」平成29年2月号及び市ホームページでお知らせいたしました。
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