市長へのご意見・ご提案(平成27年12月)

ここでは、市長への手紙(手紙、メール、通信箱、ファクス)の4つの広聴制度で寄せられたご意見・ご提案を紹介します。いただいた皆さんからのご意見・ご提案は、今後の市の施策にいかそうと、市長がすべて目を通し、担当部署の意見を聞き、時には議論をしたうえで、お答えしています。
掲載内容は、広報秘書課で一部要約しています。また、市政に関係ない内容、個人・団体を誹謗中傷する内容、公序良俗に反する内容、営業等利益を目的とする内容のご意見等については、非掲載、ご意見の部分削除などを行うこともあります。

男女共同参画について

Q 多忙な中お付き合いいただき、感謝します。
政府は女性の活躍を掲げ、2020年までに女性管理職を30%にするそうですが、その為には今も職場に溢れる差別的な“社会の構造”“人々の意識”を変えなければいけないと思う。
国や自治体では男女共同参画への基本計画を定めたり、各種啓発のための講座を設けたりしていると思いますが、その際以下の点を考慮に入れていただきたくお願いする次第です。拙文ですが、一読いただければ幸甚に存じます。

(1.女性差別と男性差別)
男女共同参画は女性差別の解消から始まった事もあり、今でも『女性の為のもの』との認識が普通だと感じる。
しかし、“育児休業を取る際、「奥さんがいるのに?」と上司に言われた”“「男は弱音を吐いてはならない」との思いから悩みを相談できずにいた”など男性という理由の不利益も存在しています。
調べてみると、裁判所が男性差別とした判例が存在するようです。勤務中の事故で火傷を負った男性が、労災補償保険法による補償額(障害等級)に男性差別があると提訴、2010年に京都地裁は違憲判決を下しています。
また地方公務員災害補償法の遺族補償年金の受給要件で、男性にだけ年齢制限があるのは性差別だと、妻を過労自殺で亡くした男性が提訴し、大阪地裁で2013年に違憲判決がでています。
男女共同参画を進めていく上では、男性の不利益に対しても鋭くメスを入れる必要があるだろう。

(2.性別役割分担意識とジェンダー・フィルター)
社会的・文化的に作られた性別を“ジェンダー”と言い、男女共同参画社会ではジェンダーに基づく“固定的性別役割分担意識の解消”が求められていると聞きます。しかし生まれた時から刷り込まれてきたジェンダー意識は簡単には変わらず、性別役割分担意識の解消には外部からの働きかけが必要不可欠だと思います。
職場では「内助の功」との意識から、お茶くみやコピーは女性の仕事と考えている上司は多い。航空会社だとパイロットは男性、客室乗務員は女性というイメージがある。痴漢やDV被害者は女性、加害者は男性という思い込みもある。
男女共同参画は、重要なポストに女性を就かせればよいという話ではなく、こうした“ジェンダー・フィルター”を通さず、公正な目で見て判断する事ではないかと考えました。

(3.おしゃれと身だしなみ)
会社員や公務員でも、髪を明るく染髪したり、ネイルアート等している派手な女性がいる一方で、男性は保守的で地味な身だしなみが多い(派手・地味の基準は人やTPOにより異なる)。
“身だしなみ”は「公的な行為」、“おしゃれ”は「私的な行為」です。おしゃれは相手に理解されなかったり、不快感を与える事もあり、TPOが必要です。ですが“ジェンダー・フィルター”を通すため、公私の区別で曖昧な部分を疑問とされず、男女でダブル・スタンダードを生んでいないだろうか?
おしゃれは女性の特権だとされる事がある。大手航空・鉄道会社の客室乗務員など、女性の身だしなみに厳しい業界は一部にあるものの、多くの職場は男性側が保守的で厳しい傾向だ。男性は女性のおしゃれに口出ししにくいのかも知れない。
議論される事が少ないので、男女共同参画を話し合う際はぜひ注目してほしい。 

A メールによりご意見をいただきありがとうございます。
まず、男女共同参画を進めていくうえでの男性の不利益に関してはご指摘のとおりと考えます。不利益にとどまらず、平等、対等性の観点からのチェックと改善が必要と考えます。
性別役割分担意識の問題についても基本的にご指摘のとおりであると考えます。「判断」はもちろん、制度化と実践が不可欠だと考えます。
「おしゃれ」などに関しては、基本は個々人の嗜好や感覚の問題ですが、背景には社会通念、さらには社会制度や経済的要因もあります。ご意見については、参考にさせていただきます。  

嘱託職員の待遇について

Q いつも野洲市のためにありがとうございます。
私は野洲市の嘱託職員として働いております。
嘱託職員は正規職員に比べて、雇用も不安定で、退職金・ボーナス・昇給・残業代もありません。
なのに、責任と仕事内容が正規職員と同じだということに、ずっと納得がいきません。
野洲市は差別ゼロを目標に掲げているのに、実際は嘱託職員と正規職員の給料・雇用面では差別をしていますよね。

A メールによりご意見をいただきありがとうございます。
本市では、住民ニーズを充足するサービスを実施するため、任用形態、雇用時間、勤務日数、業務の専門性等に応じて、正規職員、嘱託職員、臨時職員を雇用し対応しています。
住民サービスを実施していく上での責任は、業務に携わるすべての職員が自治体職員としてそれぞれ負っており、中でも正規職員は、サービス実施の主たる役割と責任を担う立場であると考えています。本市では、国の行政改革にかかる指針を受け、平成16年の合併後、定員の適正化を理由に正規職員数の大幅な削減が進められました。
その結果、職務内容及び人的な面で正規職員だけでは対処しきれずに、嘱託職員や臨時職員を増やし、対応してきた経緯がありました。
このため、現在では、核となる部分は、正規職員が担えるよう定員管理の計画に基づき正規職員、特に専門職員の増員に取り組んでいますが、一方で住民サービスも充実していかねばならず、いきなり嘱託職員から全てを切替えて正規職員を大幅に増やすことは困難ですし、現実的には不可能です。
こうしたことから、より安定的に働いていただけるよう嘱託職員や臨時職員について、嘱託職員の雇用期間の更新における回数の増加や臨時職員の賃金単価の増額等その処遇改善に努めています。
なお、嘱託職員や臨時職員の任用(雇用)に際しては、それぞれに応じた雇用条件を定めているところであり、うち嘱託職員の雇用条件については、その業務等を勘案した中で、任用条件通知書にその条件を明示し、承諾をいただいた上で任用しています。
また、業務の必要性から嘱託職員が正規の勤務時間外に勤務した場合については、対価を支給することとなっており、未支給等があれば法令違反です。もし、未支給等の不適正な事実があれば、詳細をお知らせください。公平・公正な調査をした上で、適正に対応いたします。

野洲こどもの家(野洲小学校隣)の利用について・アートセンター(市民が運営するNPO)への支援について・各コミセンへの図書館支所の設置について・子供図書館の設置について・市役所、駅周辺の活性化について

Q 初めてお手紙を差し上げます。
市役所の職員の方から、市長さんは必ず市民からの手紙に目を通されるとお聞きしました。お返事がいただけると大変うれしく思います。
私は野洲市に住んで30年以上になります。子供たちもこの市で大きくなりました。野洲市のまったりとした雰囲気が好きで、子供たちも今は他の地で仕事をしておりますが、戻りたいと言っています。
しかしながら、他の市と比べると、文化的には遅れていると感じ、悔しいなあと思っていました。そして、なにかできないだろうかとも考えておりました。今、各市民が行っている各趣味に応じたクラブのようなものではなく、絵画や工芸、演劇なども包括でき、そして、常設展示、ワークショップなどができ、市民が利用しやすく、外部から来た観光客の人にも野洲市の芸術文化活動を見ていただけるような場所ができないだろうかと考えております。下記にアートセンターの目的を書いてみましたので、お読みいただければ幸いです。
しかしながら、常設でき、ワークショップができる場所が見つからずにいます。野洲小学校横の以前使われていた「こどもの家」(古いほうの学童保育所)が今使われていないことを、ご近所の方から教えていただきました。さっそく市のこども課に行きお聞きしましたが、ずっと学童保育所として使われていないが、また使うことがあるかもしれないので空いたまま管理しているというお返事をいただきました。
今現在空いているのであれば、使わせていただくことが可能かどうか、市長さんがお忙しいのも顧みませず、お尋ねしております。ご検討いただければ嬉しく思います。

アートセンター(市民が運営するNPO)について

野洲市内には何人かの市民芸術家がおられます。県展などで活躍されておられる方もいます。そして、有名な工芸品を作っておられる方もおられます。その市民の作品などを常設できるセンターがあれば、と思ってきました。
日曜などに、子供のためのワークショップができれば、子供の情操教育にも役立ちますし、不登校児童、生徒に工芸、芸術活動などを通じて、社会とのつながりを持たせることもできるのではないかと思います。
時々、作品展をすることで、市民は、質の高い作品を見ることもでき、野洲市民の生活に文化的側面が生まれます。大きな町に行かなくても、作品を見たりできたら、なんと充実した市民生活が送れるでしょうか。図書館やコミセンでそのような活動を行っていますが、常設でアートセンターがある市はあまりないのではないかと思います。
その他、野洲市民の文化向上のために、以下のようなことも考えました。
ご検討いただけましたらうれしく思います。もうすでに施策が行われておりましたら、ご容赦ください。

各コミュニティセンターに図書館の支所を

今の図書館は遠すぎて、車を持たない人が利用しにくいところにあります。
高齢化が進んでくると、車の運転もままならない高齢者が増えますし、コミュニティバスがあるとはいえ、車を持たない若いお母さんたちや、子供も大変利用しにくい。最低でも近くにあるコミセンに図書館の支所があると、気軽に利用できます。運営はボランティアにお願いすることもできます。

市役所近くに子供図書館を

子育て支援センターに、子供図書館があれば若い親たちは気軽に支援センターを利用でき、子供に読書の習慣を小さいときからつけられ、図書館のイベントをそこですることができ、多くの市民が利用できます。
図書館の運営は、市民のボランティアを募ることで人件費は発生しません。

市役所、駅周辺に、市民が集まる工夫を

病院、図書館、市役所、駅、商店、など、生活に必要な施設を市役所周辺に集中させることで、市民生活が便利になりますし、市の中心部に活気が生まれます。

お忙しい公務の中をお読みいただかなくてはならないのに長文になってしまいましたことをお許しください。

 

A 「市長への手紙」にてご意見をいただきありがとうございます。
以下、順次お答えします。

野洲こどもの家(野洲小学校隣)の利用について

ご計画されているアートセンターの設置につきましては、本市における文化芸術活動を一層推し進めるものとして大変意義ある活動であり、賛同します。
ただし、ご要望の野洲第七こどもの家の活用につきましては、当施設は学童保育専用施設であるため、目的以外での利用はできません。また、学校敷地内にあるため、広く市民活動を前提にご使用いただくには、管理面及び安全面で問題があると考えます。
今後、NPOによる活動を計画されているとのことですので、活動場所も含め、活動全般にわたるご相談等がありましたら、市民活動支援センターまでお気軽にお問い合わせください。NPO活動をされる団体への主な支援策といたしましては、野洲市市民活動促進補助金交付要綱に基づき、設立3年以内の団体を対象に運営補助金(5万円)を交付(1団体1回限り)する制度があります。さらに、市民活動団体に関する情報を共有するため、「野洲市市民活動情報登録制度」を運用し、市ホームページ(市民活動データブック)や市民活動情報紙「つながり」を通じ、様々な情報を発信しています。

各コミュニティセンターに図書館の支所を

野洲市では、図書館として現在本館と分館においてサービスを提供していますが、法に基づく新たな分館整備は困難と考えています。今年度も、正規職員の司書を1名増強しましたが、職員や図書費、さらには補修が必要になってきている図書館施設の対応に財源を充てたほうが有効であると考えます。なお、野洲駅南口周辺整備構想において従来から要望が高い図書館分館の整備については検討項目となっています。
野洲図書館を所管する教育委員会に考え方を確認し、以下のとおり回答を得ましたので、参考にお伝えします。
支所といえども、一定の図書館サービスを確保することは必要です。図書館サービスの一環として、予約本の取り寄せなど、本館と同じ対応が受けられるレベルの分室を設置する場合には、毎年図書費を予算化して新刊を購入し、コンピュータシステムを設置するなどの措置が必要です。ある程度の蔵書規模と新刊数がないと図書館としての利用は見込めず、こうした分室を7学区すべてのコミュニティセンターに設置するのは現実的に困難です。財政健全化プランにより、平成21年度に市役所近くの分室を閉館した経緯もあります。また、読書情報をはじめ利用者の様々な個人情報を取り扱うため、ボランティアだけでの運営は適切ではないと考えます。
なお、図書館の分室ではなく、地域の方が気軽に利用するレベルでの図書設置という考え方もあります。以前は公民館等に草の根文庫・地域文庫という形で図書が設置され、地域の皆さんが運営されていましたが、本が古くなることによる利用者の減少、担い手の確保が困難等の理由で廃止された経緯があります。新たに、地域の皆さんがコミュニティセンターに図書を設置したいとの希望があれば、地域の総意のもと、市の図書館サービスとは別に、独自に図書を集め自由に運営していただくことは可能ではないかと考えます。その場合、図書館のリサイクル市の本を譲渡したり、図書館の団体貸出を活用したり、選書や運営について図書館の職員がアドバイスしたりする等の支援は可能です。

市役所近くに子供図書館を

この件に関しましては、上記のとおり、野洲駅南口周辺整備構想において市民が気軽に便利に利用いただける図書館分館の整備が検討課題となっていますので、それが実現すれば対応できると考えます。なお、北部合同庁舎の分館も、庁舎の再活用とあわせて、便利な場所に改修移転したものであり、子どもの図書も充実しています。
なお、野洲図書館を所管する教育委員会から以下のとおり回答を得ましたので、参考にお伝えします。
各子育て支援センターには現在、子どもの本を数十冊設置しており、図書館の団体貸出を活用して図書を置いている支援センターもあります。しかし、図書館サービスの一環としての分室を設置することはコミュニティセンターの場合と同じく現実的に困難です。
子どもと本について図書館では次のように考えています。赤ちゃんのときから絵本を読み聞かせすることは、ことばの習得等、心身の成長にとってたいへん重要なことです。その後、幼児期から小中学生、高校生に至る時期に合った適切な本との出合いは、生きる力を育み、内面を豊かにし、自らの可能性を広げることにつながります。すべての子どもたちに良い本と出会ってもらうため、図書館では乳幼児健診時に啓発を行っており、その際に絵本の配布を行うブックスタート事業を検討中です。今年度からは保育園、幼稚園への読み聞かせ用絵本セットの貸出を開始しました。小中学生にとっては、毎日通っている学校にある学校図書館がもっとも利用しやすいと考えており、整備に努めてまいります。
ご提案の趣旨は、本が利用できる環境を作ることの重要性だと認識しています。駅前における図書館窓口の設置も含め、今後の課題として検討してまいります。

市役所、駅周辺に、市民が集まる工夫を

 野洲駅周辺につきましては、「市民生活、都市活動の拠点として、商業業務施設を誘導するなど、まちのにぎわいを生み、市民の憩いの場、そして地域の交流の場となる商業空間の形成に努める」という方針に基づき、コンパクトな都市空間の形成に取り組んでいます。
現在、その具体的な事業のひとつとして、野洲駅南口周辺整備を進めています。去る11月5日の市議会臨時会において、4年半にわたって計画を進めてきた市立病院整備に関する予算等が否決されました。市立病院整備については断念せざるを得なくなりましたが、「心と体の健康をテーマに人と人とがつながることで生まれるにぎわいづくり」をコンセプトとして、「市民広場」「交流施設」「図書館分室」「文化・スポーツ施設」「商業サービス」の5つの機能を核に、引き続き市民が憩うことができ、安心できる市民生活の拠点づくりを進めてまいります。

(回答に対する御返事)

大変丁寧なお返事いただきありがとうございました。また、お忙しい中、お会いいただいてありがとうございました。私たちもNPOの立ち上げに向けて準備を積んでいきたいと思います。
その他の質問にも丁寧にお答えいただいてありがとうございました。市長さんが、野洲市民のことをたいへんよく考えてくださっていることがわかりました。

市立病院整備及び野洲駅前の土地活用について

Q 11月16日読売新聞朝刊に「予算案否決」の記事がありましたが、その中の市民のコメントと小生も同じ意見です。
小生は旧中主町民ですが、駅前に市民病院があるメリットは前々から疑問でした。まして南口の駅前となれば、琵琶湖側の住民が行くとなると現行の場所よりかえって不便。
駅前なので電車に乗る人が自家用車の一時預けに利用するのが関の山と考えます。
車でのアクセスが便利で駐車しやすい場所が市内にはないのでしょうか?
我々の地域では、入院する場合、守山の市民病院や成人病センター、あるいは市を飛び越えて済生会や草津総合・滋賀医大といった大病院を利用する人がほとんどです。
最新医療施設やお医者さんの専門性を重視するなら野洲病院は行かず車で便利な湖南地区の有名病院を利用するでしょう。
以前私の父も前立腺肥大を患い野洲病院で泌尿器科の専門医にかかっていたことがありました。
が、その先生は野洲病院を去り非常勤となりました。
その後、担当医は変わり豊郷病院に転院させられ、前立腺全摘出手術を受けることになりました。
ところが術後の処置ミスのためか死亡しました。
担当医は司法解剖の手続きをとるか聞かれましたが、父が生き返ってくることもないのに争っても無駄な抵抗をあきらめました。
家族は完全に医療ミスによるものと思っていますし、近所や親戚もそう思っています。
だから、家族や近所の者は、今の野洲病院に信頼がなく、最初から済生会や滋賀医大など大きな病院を選ぶ人が多い。
そもそも、この便利な生活圏の湖南地区には車で1時間もかからず行ける立派な(医者と施設がある)病院が沢山あります。
新病院が市民が利用することで特別なメリットがある市立病院かどうか見えてきません。
よって、今計画されている駅前病院を現行病院を廃止して建設することの理由が今一つ分かりません。
駅前広場の有効活用なら県外や他市から足を運んでもらえる事を第一優先に考えるべきだと思います。
もう一度白紙に戻し(病院建設候補以外に)、京阪神からもアクセスが便利な野洲駅前の地理的優位性を生かす土地利用をもっと議論してもらえないのでしょうか?
メリットが見えてこない中途半端な規模の医療設備やスタッフで運営されそうな(土地代の高い)病院建設に税金が使われることには反対です。

A 「市長への手紙」にてご意見をいただきありがとうございます。
野洲病院の状況は、新病院計画が具体化してきたここ数年の間、職員の志気の改善や滋賀医科大学等からの支援強化などにより、大きく改善してきており、ご指摘の状況とは異なっていると考えます。
病院整備の必要性に関しては、「生活圏の湖南地区には車で1時間もかからず行ける立派な(医者と施設がある)病院が沢山ある」という生活状況の方もおられるとともに、身近なところでの医療サービスを必要としておられる市民も多くおられます。現に、直近の野洲病院の利用実績は年間、通院約10万人、入院約5万人、約650件の救急搬送となっています。このような理由で新病院計画を進めてきました。
野洲病院にかわって市が責任を持って病院を整備することになった経緯は、平成23年4月野洲病院から「新病院構想2010」と題された提案書が提出されたことに端を発しています。この提案書は、現野洲病院の施設や機器は老朽化し基幹施設の耐震化もできていないため、市が新しい用地に病棟を建て機器更新もした上で経営を御上会(野洲病院)に委ねてほしい、そうすれば過去に旧町から借りた9億円の残額も計画的返済ができ、毎年市から受けている1億数千万円の補助金の額も少なくすることもできる、という内容でした。
この提案は見方を変えれば、野洲病院の経営が継続困難であるということを自ら公言することになるため、新病院構想提出の直後、市内の中核的医療機能をどう考えていくべきかの検討を市民代表、医師会、専門家等による検討委員会を設置し検討を委ねました。この委員会の結果を踏まえ、高齢化が進む将来を見据えると在宅医療を進めるための中核的医療機能が必要であること、また、従来の補助金により民間医療機関を支援するという手法が成立しなかったという事実、さらに上記の「新病院構想2010」による支援手法が行政制度上不可能であること等を根拠に、平成24年1月、市が中核的医療機関として市立病院を整備する方針を決定し、その後段階的な検討と議会手続きを踏んで計画を進めてきました。
今回、11月市議会における市立病院整備基本設計予算案等の否決は、これまでの市民の皆さんとの意見交換や専門家等による委員会での審査、それを踏まえた議会審議の経緯に反する結論であると考えています。反対された議員からは公的に反対理由の説明が一切なされていません。
駅前の市有地を立地場所としていたことにつきましては、過去4年間の市民代表、医療や病院経営の専門家などによる公開の検討及び市議会での審議を経て決定してきたものです。具体的な理由としては、駅前は、市内交通網の結節点で、障がい者や今後急増すると考えられる自家用車に乗れない・乗せてもらえない高齢者など移動に関して弱い立場にある市民が利用しやすいこと、また市外から医師や優秀な医療スタッフを確保することに利点があり、これらのことが病院の経営上も有利に働くためです。また、別の経営上の観点から言えば、近隣市の病院は、野洲市から言えば郊外に当たる場所にある病院ですので、計画していたような市民生活の日常の安心と回復期医療や在宅医療を支援するための中・軽度の病院を野洲市の郊外に整備して、ご見解のとおり、高度医療を行う近隣の大規模病院と競合して経営は成り立たないという議論と判断によるものです。
最後に、野洲駅南口周辺土地利用計画については、核となる約1ヘクタールの市有地購入の際の市民及び議会議論では市民のための利用を優先しようという合意が基本となっています。この合意に基づき、構想策定を進めてきました。市民病院もその一翼を担うものでした。駅前の病院は市民の利用に便利であるとともに、医師や医療スタッフの確保にも有利であり、その優位性を活かし、市外からも来院者を確保できると見込まれ、病院及び将来計画している文化スポーツ施設とあいまって商業及びサービス系事業の展開を見込む構想でした。
駅前には大型商業施設を誘致して利活用を図るべきとのご意見もありましたが、滋賀県の商業特性はすでに郊外型・ロードサイド型で定着していること、また、旧野洲町の政策により新幹線より国道8号側に既に大型量販店が誘致されていることから、駅前に同規模以上の商業施設の立地は困難であるとの見解が専門機関からも示されています。
病院計画案は否決されましたが、平成24年度以降市民の皆さんと議論を尽くして定めた南口周辺整備のコンセプト「心と体の健康をテーマに人と人とがつながることで生まれるにぎわいづくり」に基づきつつ、市民の皆さんが利用できる駅前整備の具体的な内容について検討していきたいと考えています。

文化ホール駐車場の時計について・市長への手紙メールフォームについて

Q 公務お忙しい中お願いいたします。
文化ホール駐車場に設置されていた時計なのですが、故障して放置を指摘すれば迅速に撤去されましたが、それで終わりですか?
在ったものが無くなる・・・それで良いとお考えでしょうか?
市の交流場である、文化ホールなので是非とも時計の現状回復をお願いいたします。
最後に、このメールフォームで匿名で投稿が出来ないようにして欲しい。
市に意見があるならちゃんと個人を明かすべきではないでしょうか?
このフォームに不安があるなら他の手段があるはずです。(フォーム設置でノーセキュリティ自体に問題もありますが)

A メールによりご意見をいただきありがとうございます。
まず、野洲文化ホール駐車場の時計の件につきまして、同ホールを所管する教育委員会から以下のとおり回答を得ました。
この時計は、10年ほど前に団体から寄贈を受けたものです。故障した時点で当団体に修理費用のご負担を願えないか打診をしましたが、できないとのことでした。そこで、部品の取替による修理、別の時計への取替等様々な方法を検討しましたが、いずれにしても相応の費用がかかることが分かりました。
野洲文化ホールは築33年近く経過しており各部に著しい経年劣化をきたしています。多数の集客がある施設であり、特に安全面や実質的な機能面を最低限確保するだけでも多額の費用を要します。限られた予算の中で、このような優先すべき部分から順次修繕を進めており、当面この方針は変わりません。このような観点から、駐車場の時計につきましては、費用をかけてまで対応する緊急性・優先度は低いと判断し、当初は「故障」と表示していましたが、景観上の課題もありましたので、上記団体にもお知らせした上で、担当職員が撤去いたしました。
以上が教育委員会からの回答です。
次に、「市長への手紙」のメールフォームでの記名を必須にすべきとのご意見ですが、「市長への手紙」の制度は、市民の皆さまとのコミュニケーションを図り、良いまちづくりを進めるためのものとして運用しています。この制度では、ご意見やご提案をいただいた当事者に対して、まずは正確、誠実にお答えすることが第一の機能ですので、住所・氏名は可能な限り明記していただきたいと考えています。しかし、中には、プライバシーに関すること、企業秘密に関すること、実名を明かすことで不利益な扱いを受けるおそれがあると当事者が危惧された場合など、やむを得ない場合もあり、すべての当事者に記名を強制することは困難です。本来、多種多様なまちづくりの提言は誰でも自由に行えるようその機会を保障しなければなりません。今年度の「市長への手紙」は11月末現在で117件であり、そのうちメールによるご意見等は約8割を占めており、市民の皆さまにとって、メールは市へまちづくりの提言を行うにあたっての重要な手段になっているものと考えます。このような中で、記名を強制することは、結果的に、市民の皆さまのまちづくりの提言を行う機会を不当に制限することにもなりかねません。
このようなことから、「市長への手紙」のメールフォームでの記名を必須にすることは考えていません。
なお、匿名でのご意見等の場合につきましては、ホームページ等での公開を当事者への回答と位置付けています。

ふるさと納税について

Q コミセンぎおうで、野洲市はふるさと納税をされていますか?とたずねました。
していないといわれました。
高島市は2015年度は1億をこすようだとニュースでいっておりました。
野洲市はふるさと納税をされているのか、されていないのかお知らせ下さい。
追伸:高島市は今後近江牛の近江八幡市との連携するようなこともニュースでいっておりました。
将来的な野洲市の税収は減収が予想されます。国の一時金頼みではなく、市役所が利益を創出する必要があると思います。私は存じませんがどこかの部署が利益創出を考えておられるのでしょうか。政府のいう地方創生とは地域の独立をさせることを助成することを意味しているととらえております。
土産、ネット販売等必要ではないでしょうか?

A 「市長への手紙」にてご意見をいただきありがとうございます。
本市では、ふるさと野洲のまちを応援していただくために、条例によりまちづくり寄附金制度を設けています。この制度を「ふるさと納税制度」として位置付けています。この制度は、平成19年6月制定の野洲市のまちづくり基本条例に基づき、多様な人々のまちづくりへの参加を促し、個性豊かな活力ある野洲のまちづくりを推進するための資金として広く募っているものです。この寄附金を財源として各種事業を実施しています。
なお、高島市は今年度のふるさと納税による寄附額が1億円を超えたとのご指摘ですが、高島市に限らず、ふるさと納税による寄附額が多額となっている自治体では、返礼品の「魅力」による影響が相当大きいと思われます。このように、寄附額ばかりが注目されている一方で、ほとんど表に出ていませんが、還元率が4割から5割とも言われる返礼品の経費と送料等の必要経費、事務的経費、さらには他自治体からになりますが個人住民税から控除される減税額等を合わせると相当の支出額が発生していると思われます。これらを総合的に考慮すると、ふるさと納税による実際の利益は、公表されている寄附額からは相当目減りしているものと考えています。
本市ではこれまで返礼品等を贈る対応は実施してきませんでしたが、それは、本市におけるまちづくり寄附金制度は前述の趣旨・目的で行っており、寄附金は経済的利益の無償の供与であるとともに、寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除される仕組みでもあることから、更に税金を投入して返礼品等を贈ることは本制度の趣旨に沿ったものではないと考えているからです。
多くの皆さまの「自分が育ったふるさとのまちに貢献したい」、「愛着のあるまち・自分に関わりのあるまちを応援したい」、「まちの取組みに賛同する」といった熱い思いを、本市への寄附へつなげていただくために、本市における元気と安心のまちづくりの魅力を一層発信していきたいと現時点では考えています。

防犯灯の補修と管理基準について

Q 11月初旬に自治会を通じて市管理の防犯灯の補修をお願いしたところ、補修実施が12月になるとのこと。いろいろ事情があるとは思いますが、あまりにも遅い。通常どのようにされているのか。管理基準があれば知らしてください。 

A メールによりご意見をいただきありがとうございます。
防犯灯の修繕につきましては、市役所職員による定期パトロールと自治会による自主点検、市民からの連絡により故障が確認された物件について順次修繕を実施しています。
修繕費は、前年度実績に基づき故障発生件数を想定し、本年度は当初予算で88万円を計上しています。例年ですと第3四半期は修繕費が枯渇する時期ではありませんが、秋の台風により、防犯灯を設置しているポールの倒壊1件、架空線の不良3件が発生しました。さらには、防犯灯として設置したパトライトの故障が発生し、取替えをいたしました。これら緊急の修繕費用に合計で約38万円を支出したところです。
これらに加え、4月から10月における累計修繕件数は72件で、約50万円を支出しています。このように、修繕費の支出が特に10月に集中したことで、第3四半期に一挙に防犯灯修繕費の予算不足が生じることとなりました。
このようなことから、現在、今後発生すると想定される故障件数についても加味し、引き続き発注を行うための修繕費に関する補正予算案を現在開会中の市議会定例会において提案しています。今後、12月21日に補正予算案を議決いただければ、速やかに修繕に向けた発注を順次行い、できるだけ早期に修繕してまいります。

野洲病院との連携について

Q 野洲病院駅前移転はなくなってみたいですが、市と連携して立て直しを図る必要があると思います。

お金を単に投入するのではなく、他病院が行っているようにボランティアの活用などお金を投入しなくてもできることをすすめてください。
ほかの病院ではボランティアをポイント制にして電気代の割引に還元しているようです。
あと、治験の積極的な受け入れと推進継続的に収入が入ります。
また、野洲病院はどんな課題があるか、そして地域のニーズや世の中の流れにどのようなニーズがあり何が必要とされているのか。
時代の先をいくほかの病院が取り組んでいないことをする必要があると思います。
がんも今は通勤しながらや在宅が中心です。
仕事をしながらも病院で治療ができたり待ち時間が少ないがメリットなど。
透析や治療も1泊2日で仕事帰りにできて朝、出勤や時間が有効に使えるようになるなど。
また、産褥入院施設として売り出したり、近江八幡市民医療センターと連携をとり産むまでは受診可能にするとか。
保険外で時間がかからない、ワンコインで安い簡易検査を実施するなど。(これは駅前で行ってもよいかもしれません)
ほかではできないことを野洲病院で行い、総合病院の強さを生かす必要があると思います。
タニタ食堂とコラボして地域の食を支えるなど。
高血圧、糖尿病などの成人病対策を行うなど。
滋賀県は赤いコンニャクなど特産品が多くあり、しかも栄養価が優れているものが多くあります。
そして、滋賀県の男性の寿命は日本一だった記憶があります。
食生活や文化、何かが寿命を伸ばしていると思います。
そのような文化を生かし、療だけではない病院経営をする必要があると思います。
例えば、観光産業とのコラボなど、観光で海外旅行者向けに人間ドックを行っているツアーもあります。
野洲病院の強みそして野洲病院の弱み課題を整理して、生まれ変わることを望んでいます。
地域性や特色を生かし、野洲病院らしさを開花させる必要があると思います。
そういった自由な発想がいかされ、自由に動きをとるためにも、公立病院にしてしまうと動きがとりにくくなります。
税金を投入すると使い道が限られてくるからです。
限られた人口で患者の取り合いをするのではなく、視野をグローバルに広げて行ってください。

「公立病院にしてしまうと動きがとりにくくなります。税金を投入すると使い道が限られてくるからです。」というご指摘を踏まえると、ご提案のような野洲病院の運営を税金で支援することは不可能です。野洲病院へ直接ご提案ください。

幼稚園の対応について

Q ○○幼稚園○○組の、○○さんについてなのですが、多くの子どもがケガをさせられて困っています。

子どもが怖くて怯えて幼稚園を嫌がっています。
幼稚園は何も対策をしてくれません。
署名を集めて○○さんに幼稚園をやめてもらいたいと思っています。

メールによりご意見をいただきありがとうございます。
先ずは、幼稚園を所管する教育委員会に確認し、以下のとおり回答を得ました。
お子様が幼稚園でお怪我をされたことに対し、深くお詫び申し上げます。
園からの報告によると、ご指摘の園児は自分の意志を言葉で表現するのが苦手で、加配職員を配置し対応はしていますが、衝動的に言葉よりも先に手が出てしまったようです。
幼児期においては、未発達が故に、このような事象や時には遊具の取り合い等からけんかになる場面がよくみられます。こうした場面も含めて、子ども同士の関わりの一つひとつが、言葉や社会性を獲得していくために欠かせない大切な過程であり、自己抑制や他者を思いやる気持ちを少しずつ体得していくものだと考えます。
決して、手を出すことやけんかをすることを肯定するものではありませんが、保護者の皆さまにおかれましては、それぞれの園児が互いに関わりあう中で、自分自身で考え、判断して行動し、そして力を培っていく過程を大きな気持ちで見守っていただきたいと考えます。
他方、園では少なからずこうした事案が発生するおそれがあり、その全てを予見することは不可能です。しかし、子どもの発達の特性や発達過程を踏まえ、起こりやすい事案を想定したうえで、予防措置や職員の資質向上に努める必要があると考えます。この点を踏まえ、園に対し、今回の件を十分に検証したうえで予防措置を講ずるとともに、園児が安心して過ごせる環境づくりを図るよう指示をいたしました。
大切なお子様がお怪我をされたお気持ちは理解いたしますが、署名を集めて退園を迫るようなお考えには疑問を感じます。さまざまな発達の特性や個性を超えて、子どもたちが共に学び共に育っていく共生社会の実現を図ろうとしているなか、こうしたお考えは改めていただく必要があると考えます。また、この分け隔てなく共に学ぶインクルーシブ教育には、保育者と保護者の皆さまの理解が必要不可欠であり、当該教育の理解者のお一人になっていただくことを期待します。
以上が教育委員会からの回答です。お怪我をされたお子様や保護者の皆さまのお気持ちは十分にお察しいたします。
園での安全確保は最優先課題ですが、しかし、問題があるからといって「退園」を求めるという考え方は、一方で保育や教育を受ける権利を侵害するおそれがあります。一人ひとりの子どもは個性をもった個人として尊重されなければなりません。このような様々な個性をもった子どもたちが交わり、同じ場所で生活していくからこそ、互いの気持ちを理解し合ったり、支え合ったりしながら、共に成長していくと考えます。見方を変えて、極論すれば、子どもに限らず、まったく問題のない人はいません。問題は可能性の裏返しでもあります。子どもをはじめ市民の健全な成長を支えるためには、それに相応しい良い環境をつくることが大切であり、このことは保育や教育を提供する側及び大人そして社会の重要な役割であると考えます。
教育委員会に対しましては、子どもたちや保護者の皆さまの悩みや不安を少しでも解消するために、園長をはじめ関係職員が力を合わせて、問題に対して迅速かつ丁寧な組織的対応を行うよう伝えました。

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