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高齢者虐待に関する相談

介護保険制度や認知症についての知識や情報もテレビやインターネット等で簡単に手に入り、周知や理解も進みつつありますが、残念ながら高齢者虐待は後を絶ちません。

高齢者虐待の背景には、介護負担、仕事や経済面といった生活上の問題など、様々な要因があります。高齢者虐待は誰にでも起こりうる、とても身近な問題です。

しかし、高齢者虐待は高齢者の人権を傷つける行為であり、どのような理由があっても起こってはならないことです。市では高齢者虐待に関する相談対応を行っています。早期に発見し、対応することで問題の深刻化や重篤化を防ぐことができ、高齢者も虐待をしている人も救うことができます。

介護について一人で悩んでいる方、「もしかしたら虐待かも」と気づいた方など、気軽に地域包括支援センターにご相談ください。

※守秘義務により、ご相談いただいた方の情報が周囲に漏れることはありません。安心してご相談ください。

■高齢者虐待とは

虐待というと、叩くなどの暴力的行為が思い浮かびますが、虐待にあたる行為は他にもあります。高齢者虐待は、「不適切なケア」「不適切な介護」とも言われています。虐待という言葉には凄惨なイメージがありますが、言葉のイメージに捉われず、適切なケアができているのかという視点で考えてみてください。また、虐待された本人や虐待をした人の自覚は問いません。

▽以下の行為は高齢者虐待にあたります。

虐待の種類

内容

具体例

身体的虐待

暴力的行為により、体に痛みやアザなど外傷を与える行為や、外部と接触させないようにすること

・たたく、つねる、殴る、蹴る

・無理やり食事を口に入れる

・ベッドに縛り付けたり、薬を過剰に服用させて身体拘束や動きを抑制する

など

介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)

高齢者が必要とする医療・介護などを受けさせない、世話をしない等により、高齢者の身体・精神状況や生活状況を悪化させること

・入浴しておらず異臭がする

・髪や爪が伸び放題、皮膚が汚れている

・長時間の空腹状態、脱水症状や栄養失調の状態にある

・高齢者が必要とする介護サービスの利用や医療受診をさせない

・室内にゴミを放置する、冷暖房を使わせないなど、劣悪な住環境の中で生活させる

・同居人等による高齢者虐待の行為を放置する など

心理的虐待

脅しや侮辱等の言葉や、威圧的な態度、無視、嫌がらせ等によって、精神的苦痛を与えること

・怒鳴る、ののしる、悪口を言う

・意図的に無視する

・排泄の失敗などを嘲笑したり、それを人前で話すなどして恥をかかせる

・侮蔑をこめて、子どものように扱う

・生活に必要な場所や道具の使用を制限する など

性的虐待

本人との合意なく性的な行為を行なったり、強要をすること

・排泄や着替えの介助がしやすいという理由で、下着のままや、裸にしたまま放置する

・排泄の失敗などに対して懲罰的に裸にして放置する

・キス、性器への接触、性行為を強要する など

経済的虐待

本人の合意なしに財産や金銭を使用したり、本人の希望する金銭の使用を理由なく制限すること

・日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない

・年金や預貯金を無断で使用する

・本人の自宅等を本人に無断で売却する

・入院や受診、介護保険サービスなどに必要な費用を支払わない など

 

 

■高齢者虐待の要因

高齢者虐待は誰もが直面する可能性のある身近な問題です。特別な家庭にだけ起こることではなく、誰にでも、どの家庭でも起こりうることです。

【介護者の要因】

●介護の方法がわからない

●認知症の高齢者にどのように対応していいかわからない

●介護者に疾病や障がいがある

●介護負担による疲労

●経済的に苦しく、介護保険の利用ができない

●仕事と介護の両立で大変

●介護者の孤立、孤独(介護に対して理解者や協力者がいない)

●高齢者と介護者との過去からの人間関係

●虐待であるということの認識がない など

 

【高齢者やその他の要因】

●介護サービスや医療を受けたがらない

●介護を受けることに拒否的で協力が得られない

●経済的な問題

●認知症など病気による問題行動や言動

●過去の家族関係のトラブル

●家族内で高齢者以外に支援が必要な人がいる など

■高齢者虐待を防止するために~介護をしている家族の方へ~

●家族や一人だけで抱え込まず、気軽に地域包括支援センターに相談してください

地域包括支援センターには、保健師やケアマネージャー、社会福祉士などの資格を持った職員がいます。対応の方法や今後の支援について、一緒に考えさせていただきます。

・認知症専門医への受診や、医師への相談の仕方

・介護保険の利用や、福祉サービスなどの利用方法

・介護者家族の会など、同じ経験を持つ仲間と交流できる場の紹介 など

●成年後見制度を活用しましょう

成年後見制度は、認知症などにより判断能力が十分でない人の預貯金の管理(財産管理)や、日常生活上のさまざまな契約など(身上監護)を本人に代わって後見人などが支援する公的な制度です。認知症などになり、悪質商法や振り込め詐欺の被害に遭わないために、また経済的虐待を防ぐために成年後見制度は有効です。成年後見制度についても地域包括支援センターがご相談を聞かせていただきます。ご検討下さい。

■早期発見・早期相談で虐待を防ぎましょう

私たちの身近なところにも、虐待を受けているが助けを求められない高齢者や、介護を抱え込んで虐待に至ってしまっている養護者がいるかもしれません。周囲の人の気づきが、相談に繋がる第一歩になります。以下のような点に気づいたら、地域包括支援センターにご相談下さい。

1

暴力を受けている、怒鳴られる、年金を取られるなどと訴えている

2

あざや傷があるのに理由を聞いてもはっきりしない

3

家族が介護でとても疲れていたり、高齢者の悪口を言っている

4

介護や病気について相談する人がいないようだ

5

ひとり暮らしや高齢者夫婦世帯で、最近、姿を見かけなくなった

6

高齢者を訪ねると家族に嫌がられたり、会わせて貰えない

7

昼間でも雨戸が閉まっている

8

家の周囲にゴミが放置されたり、異臭がする

9

郵便受けが新聞や手紙で一杯になっている

10

家から怒鳴り声や泣き声が聞こえたり、大きな物音がする

11

暑い日や寒い日、雨の日なのに高齢者が長時間外にいる

12

高齢者が道路に座り込んだり、徘徊していることがある

13

介護が必要なのに、サービスを利用している様子がない

14

高齢者の服が汚れていたり、お風呂に入っている様子がない

15

最近、セールスや営業の車が来ることが多くなった

16

家族がいるのに、いつもコンビニなどでひとり分のお弁当を買っている

東京都老人総合研究所作成

 

「高齢者虐待防止・養護者支援法」は、虐待をした人を罰する法律ではありません。高齢者、養護者のどちらも支援をする法律です。「これは虐待だ」という確信がなくても、何か気づくことがあれば気軽にご相談下さい。また、養介護施設等の職員による高齢者虐待についても、ご相談を聞かせていただきます。守秘義務により、誰からの相談・通報なのかを周囲に漏らすことはありません。安心してご連絡ください。

 

■相談・問合せ先

▽平日/午前8時30分~午後5時15分

地域包括支援センター 電話番号:077-588-2337 ファクス:077-586-3668

高齢福祉課 電話番号:077-587-6074 ファクス:077-586-2176

▽上記以外の時間

市役所代表 電話番号:077-587-1121 ファクス:077-587-4033