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まちづくりトーク(わくわくクラブ)

まちづくりトークを実施しました

わくわくクラブ

 『わくわくクラブ』の皆さんとトークを行いました。

日時…2017年7月24日(月曜日)15時00分〜16時30分
会場…富士美台自治会館
参加者…わくわくクラブの皆さん
山仲市長、北脇広報秘書課長、吉川市民病院整備課長補佐、小田広報秘書課主任

以下トーク内容

わくわくクラブ

山仲市長(以下「市長」) 皆様には日ごろから活動を通じて野洲のまちづくりに参画いただきましてお礼申し上げます。

野洲のまちの人口は7月1日現在、51,031人です。昨年と比べると100人以上増えており、緩やかにではありますが順調に人口は増えています。人口がなかなか増えない理由は、市内における市街化区域の面積が少ないため、住むところが無いためです。市街化区域の比率が近隣市の守山市・栗東市と比べて半分しかなく、また、草津市と比べると3分の1しかありません。住みたい方がおられて、土地があっても住宅用地として使える土地が無いため家を建てることが出来ません。市内の事業所についても、拡張希望の声を聴くため、まだまだ発展の余地があるまちであると考えています。

「まち」というのは、市民が主体的に意思決定して、安全と幸せを実現する仕組みです。結果的に毎日が元気で安心を確保できる「まち」ではないとダメだと考えています。よく日本一の「まち」を目指すといったことが言われますが、日本一かどうかは重要ではなく、地域によって幸せや安全を実感できることが重要であると考えています。

「まち」の機能としては、「伸びようとする市民・企業を手助けする」「困難な状況にある市民・企業に対して、しっかりと手を差し伸べる」「秩序を守る」といったことが重要であり、税金についてもこの3つのこと以外に使ってはいけません。まちづくりとは、「まち」が「市民」を育て、「市民」が「まち」を育てるといった双方向であり、まちづくりの原則は、徹底した透明性・公平性・公正性を実践することにより、創造的・生産的な政策が可能になると考えています。

今、児童虐待が全国でも大きな問題となっていますが、野洲は通報があった場合、逃げていません。実態をしっかりと把握するようにしていて、私が市長に就任した際、年間約80件程度しか把握できていなかったのですが、現在、年間約420件対応しています。

先般、市内の学校訪問をした際に、いじめを受けている本人からの通報が増えているという声を聴きまして、実際に統計を取っていただいたところ、数字でも顕著に表れています。いじめを受けている場合、当事者が事実を伏せる傾向があると考えますが、気兼ねなく自ら申告できるといったことは良い環境です。こういった環境ができている理由は、市が独自で増員しているスクールソーシャルワーカーの働きにより、学校と家庭のつなぎがしっかりとできていることも大きく働いていると考えています。

まちの政策づくりというのは、秘密裏に誰かが決定しているといったことではダメで、法制度や市場メカニズム等に従い、合意形成が成され、科学的に整理されたものが政策であると考えています。

話は変わりますが、官から民といわれていますが、民間企業の「民」であって、市民の「民」ではないところが誤解されています。公共サービスを民間に委ねることは否定しませんが、結果的に市民が受益を被ることが重要であると考えています。

まちづくりへの取り組み方ですが、課題を仕訳けすることよりも取り組むべき課題に取り組むことによって、自ずと不要なものは削ぎ落とされていくというほうが健全であると考えています。

野洲の人口は順調に伸びていますが、課題もありまして生産年齢人口が減ってきています。国の予測では野洲の人口は2040年に約43000人になるとの予測です。ただ、まちが消滅するといったような人口減少とはならないことに加え、国のビジョンでは、地方創生といった取り組み等により2060年に約43000人を目標としていることから、健全なまちづくりを継続していけばよいと考えています。

野洲の特徴的な取り組みですが、「まちづくり情報の徹底した公開」「国の法律のモデルにもなった生活困窮者支援事業」「スクールソーシャルワーカーを独自配置した発達支援と特別支援教室」「学童保育所の充実」「独自制度のこども園」「市直営のコミュニティバス」「市直営による地域包括支援センター」「市民病院整備事業」があります。

あと、様々なイベントも取り組んでいます。花火大会については、栗東市が従前の場所で実施してもらっては困るということであったため、須原地先に場所を変えて実施しています。また、今年から桜のライトアップも実施しています。全国中学校駅伝大会を要望があって、昨年から野洲で実施しています。全都道府県の中学生代表が出場していて見応えがありますので、皆さんギャラリーでご参加いただければと思います。

ビワマス遡上プロジェクトを市民団体と共に取り組んでいます。暫定魚道の設置や水生生物の調査等を行っていて、将来この地域の中の池川でビワマスが見られるかもしれない夢のあるプロジェクトです。

生活困窮問題が深刻で、地域によっては2割近くが貧困といわれています。子どもで6人から7人に一人といわれていて、家庭の単位では1割を軽く超えています。野洲は多重債務の解決から始めました。最盛期には年間約2億円の過払い金を取り戻していました。解決にあたって、借金をした理由を確認したところ、リストラ等が主な理由であったため、根本的に生活を立て直すことに着目し取り組んできました。市税等の債権回収についても、各担当課が各々アプローチしていてはお互いにメリットが無いので、債権を一元化しました。他の自治体も債権一元化までは動きかけていたのですが、野洲はさらに踏み込んで、生活支援を関与させ、払えなくなった理由があるであろうことから制度化しました。

さらに、訪問販売を登録制にして、悪徳業者を公表することにしました。

わくわくクラブ

ところで、病院ですが、市民代表、関係機関、専門家等にも参画いただき、これまで約6年間の期間、議論を経て策定した計画に基づいて進めています。

どういった病院を作るのかというと、現野洲病院にはかなり以前から町ないし市が支援を行ってきています。6年前に経営が立ち行かなくなったということを受けて、専門家も交えて検討を行い、市民病院の整備を進めています。開業医、在宅医療または介護福祉施設は中核病院がないと成り立たないため、大学病院へのつなぎをする役割の病院を考えています。検討会等において医師会等に練っていただいた診療科目を設置します。病床数は199床で内、一般急性期100床、回復期リハ50床、地域包括ケア49床です。将来的に駅が改築された際は駅から病院へ直接アクセスできるよう考えています。現計画では6階建て、免震構造を考えています。基本設計までは既に出来ています。次に実施設計に移って実際に建築工事に入っていくのですが、実施設計を行う予算を3月に否決され、5月にも否決され、6月にも否決されているため、動かない状況です。現野洲病院は、医院長を含め、16名の医師が大学病院から派遣されています。これは新病院が整備されることを前提として新病院への移行シフトが組まれているからです。

現野洲病院には昭和60年代に9億円貸付を行っています。金利が免除されているに6年前の平成23年の時点で、未だ5億円超の残債がありました。こういった状態にも拘らず平成10年に21億円をかけて建て増しを行っています。当然、資金は無かったため、市が保証する形で金融機関から融資を受けています。野洲病院だけでは返済が困難であるため、市が毎年1億数千万円補助を行っています。毎年1億数千万円の補助金を受けているにも拘わらず経営が成り立たず医療を継続できないため、市が新しい土地、新しい病院施設、新しい医療機器を用意してくださいと提案されてきました。即答で提案を受けるわけにもいかないので、市民代表、専門家も交えて、公開で議論を重ね、方針・構想・基本計画を議会の議決を得ながら市の予算を使用し、順番に進めてきています。また、昨年の年末には市民病院を設置する条例まで可決されています。

条例に基づいて、今後の実施設計等を進める予算を提案したところ否決されました。明確な反対理由も無く、反対の議員からは「住民のコンセンサスを得るように」といった意見もあり、市民代表である議員からそういった意見が出されることはおかしいと考えています。ただ、議員から住民コンセンサスを得るようにということなので、究極の民主主義である住民投票しかないと考えます。

3月の否決を受けて、止まったままというわけにもいきません。国からもらえるコンパクトシティの交付金対象であることが以前から分かっていましたので、申請を行っていたのですが、否決の後に判明したのですが、21億円の半分を上限とした交付金が付きだしました。交付金により市民負担が軽減され、条件が良くなったため、5月に再度、議会に提案を行いました。ところが、「交付金を返還したら良い。」「何故、交付金を申請したのか。」といった意見が出て否決されました。条例では、4月から病院事業を行うこととなっているため、6月に再度、提案したのですが、「農薬工場の跡地に病院を整備すればよい。」「竹ヶ丘地先の野洲川河川敷に病院を整備すればよい。」という意見等も出て、否決されました。

最近、駅前で無ければ病院整備事業に賛同するといった声も聞かれますが、病院を建てるのであれば、「市民が等しくアクセスできる」「医師等のスタッフが確保しやすい」「経営に有利である」駅前こそふさわしい場所であると考えています。現野洲病院を同じ場所で建て替えたらよいという意見もありますが、現野洲病院の敷地には民有地も含まれているため、建て替えを行うスペースがありません。

また、現野洲病院において手術室等の主要な箇所は耐震化が未だ出来ておらず、公共施設等において必要な耐震指標の約半分である0.3程度しかありません。患者への治療を行う場所であることや医療を行うスタッフのことを考えると一刻も早く解決しなければならない問題であると考えています。

市の財政面ですが、現野洲病院には民間病院であるにもかかわらず、赤字補填等のため1億数千万円支援し続けています。市立病院にすることによって、国から同等程度の交付金を受けることができます。市立病院を整備することによって、市から約3億円の持ち出しが必要となると考えています。このうち約半分は国からの交付金で賄えますので、現状より負担が大きくなることはありません。

道路に関しては、昭和57年に計画され、止まったままになっていた国道8号バイパス事業を現在動かしています。遅くとも平成36年開通を目指して取り組んでいます。また、昭和40年代に計画されたままになっている湖南幹線についても、平成35年頃開通を目指して取り組んでいます。

介護保険制度が変更され、今年の4月から新しい制度が始まっています。従前から介護サービスを受けておられる方は現状のままですが、新たに要支援1ないし2となる方は、訪問介護や通所介護をこれまでどおりには受けることが出来ません。受けることが出来ない分を地域で補っていただくというのが国の主旨です。介護については専門的な知識も必要とする分野ですので、地域で担っていただくのも限界があると考えています。何とか新たに野洲モデルを作りたいと考えています。

国民保険制度についても、来年度から都道府県が財政責任を負って運営することに変更されます。現在は市町が国民保険を運営していて、野洲は健全に運営を行っていますが、この変更に伴い県も運営者となり、2重構造が生まれます。

2重構造となることで、保険料・医療サービス・医療利用の公平化が課題になると考えられます。

大まかな市の動きは以上です。ご静聴ありがとうございました。

わくわくクラブ

わくわくクラブ(以下「わくわく」) 富士美台団地内の道路について側溝蓋等も含めて老朽化が目立ちます。財政的に厳しいとは伺っていますが、できる限り修繕をお願いします。

市長 可能な限り修繕を行います。野洲の場合は、都市計画税を頂いていません。都市計画税を頂いていれば道路の補修等にも賄えたのですが、1年間議論した結果、都市計画税は導入しないといった背景もあります。ただ、できる限り修繕します。

わくわく 温水プールが天井剥落によって閉館されたのですが、再開の見通しはありますか。

市長 6年前から新しい場所にプールを作るといったことで議論していたのですが、予定よりも早く天井が剥落したため、閉館しました。修繕には約5千万円必要となります。

わくわく 旧クリーンセンターの場所には2年後ぐらいには出来るのですか。

市長 平成32年には同じ規模でオープンする予定です。先ほど申し上げたように修繕費用として約5千万円、期間として8ヶ月必要となります。新しく整備するプールが出来るまで待っていただきたいということで議会とも協議しました。市民の方にもご意見を伺う場も設けました。残念ではありますが、天井という危険な部位でもあったため、客観的な判断から現温水プールについては、閉館としました。

わくわく プールは高齢者の健康維持のため、多くの利用者があると思います。

市長 出来るだけ前倒しでオープンできればと考えています。

わくわく 病院の件ですが、賛成9・反対9となって議長判断で否決されたと伺っていますが、見通しは明るいですか。

市長 誠心誠意、様々な資料を出して説明を行っていますが、見通しについては私には分かりません。私も同じですが、議員の方は市民が直接選んでおられます。よく議会を解散したら良いといったご意見をいただくのですが、国とは違って二元代表制であるため解散権はなく説明責任を果たすしかありません。詳細で膨大な資料を出して説明しているのですが、反対の具体的な理由は無く反対しておられます。

わくわく 市議会選挙が控えており、一つの転機になると思いますが。

市長 議員さんが変わることは確かです。反対の方・賛成の方どちらが増えるのかは市民の皆さんの意見が反映された結果になると思います。

わくわく 賛成9・反対9となって議長判断により否決といった今の状況は私が思うに何か申し合わせがあって同じ結果が導かれているような印象を受けます。反対の方たちも本当は病院が必要と思っているが、財政面の心配から賛成できないため、可否同数として議長判断により否決するといったシナリオが密約等により描かれているように感じます。反対派を一人でも巻き込んでしまえば議長採決とならない状況を作れると思うのですが。

市長 私は表で政策論議をした結果、賛成ないし反対を決めていただけたら良いと考えています。よく聞く話として、市の計画に賛成してもらうために議員の地元に道路を作るといったようなこともありますが、私はそういったことはするべきではないと考えています。

わくわく 賛成派の9人についても辻褄合わせをしているのではないかと思うのですが。

市長 それは、無いと思います。表で政策論議をした結果であると考えています。

わくわく 仮に市議会議員選挙で反対派の割合が現在のままとなった場合、病院を整備することは無理ですか。

市長 4年間同じ顔ぶれとなるため、実現性が非常に乏しい状態になると思います。現時点でも、医師派遣等を行っていただいている医科大学などの外部からも心配の声も出ていたりします。何度も否決されながら取り組んではいますが、病院整備事業は瀕死といっても過言ではない状況です。

わくわく 住民投票といった話もありましたが、投票の結果、賛成が過半数を占めていた場合、議会の決定を覆すことはありますか。。

市長 住民投票というのは、拘束力が無く世論の確認といった意味合いしかありません。賛成・反対の両者とも投票結果を尊重すべきと考えており、私は病院が必要だと考えていますが、結果が反対の方が多ければこれ以上事業を進めないでおこうと考えています。ただ、投票結果によっては、市長の信任を問う覚悟という付帯決議がされたことによって制度の趣旨に反するため、結果的に反対派の方が住民投票をつぶしてしまう結果となりました。

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